前額部に生じた疣状型スポロトリコーシスに対するヨウ化カリウムの治療経験

A case of the verrucous type of sporotrichosis on the forehead and the effect of potasium iodide

要約　63歳，女性．千葉市在住．初診2か月前より前額部に疣状角化性丘疹が出現し，徐々に拡大した．皮膚生検にて過角化と表皮肥厚，真皮全層性に多核巨細胞を混じる炎症性肉芽腫像を認め，PAS染色では真皮内に酵母形，角層内に豊富な菌糸形の菌要素を認めた．生検組織および鱗屑痂皮の真菌培養よりSporothrix schenckiiを分離同定した．特異な臨床像と病理所見から，疣状型スポロトリコーシスと診断し，ヨウ化カリウムにて治療し，治癒した．