Japanese
English
症例報告
骨破壊を伴った中指痛風結節の1例
A case of tophus with bone destruction of the middle finger
笠井 弘子
1
,
濱野 英明
1
,
木花 光
1
,
杉木 正
2
,
水谷 憲生
2
Hiroko KASAI
1
,
Hideaki HAMANO
1
,
Akira KONOHANA
1
,
Tadashi SUGIKI
2
,
Norio MIZUTANI
2
1済生会横浜市南部病院皮膚科
2済生会横浜市南部病院整形外科
1Department of Dermatology,Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital,Yokohama,Japan
2Department of Orthopaedics,Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital,Yokohama,Japan
キーワード:
DIP関節
,
痛風結節
,
骨破壊
,
尿酸
Keyword:
DIP関節
,
痛風結節
,
骨破壊
,
尿酸
pp.485-488
発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102646
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要約 75歳,男性.高尿酸血症の既往あり.右中指遠位指節間関節(DIP関節)背側に約20年前より徐々に増大する径3cmの皮下腫瘤を認めた.表面は一部潰瘍となり,内部に白色チョーク様物質を容れていた.同物質の病理組織検査にて針状結晶を認め,痛風結節と診断した.関節・骨破壊を伴ったため,右中指切断術を施行した.骨破壊を伴った痛風結節の報告18例を集計した結果,特徴として①罹患期間が長いこと,②指に病変を認める例が多いこと,③多発例が多いこと,④未治療の高尿酸血症が基盤にある例が多いことが挙げられた.自験例は,調べえた限りでDIP関節に生じた痛風結節のなかで最大であった.長期間放置した結果,外科的治療を要した症例であり,高尿酸血症に対する早期治療が重要と考えられた.また,指関節に結節を認めた際には,痛風結節を鑑別疾患として考慮すべきであり,その診断には,表面に潰瘍がある場合,白色チョーク様物質の採取が簡便かつ有用である.
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