Japanese
English
症例報告
特発性後天性全身性無汗症の1例
A case of acquired idiopathic generalized anhidrosis
梅原 康次
1
,
光戸 勇
1
,
宮地 裕文
2
Koji UMEHARA
1
,
Isamu MITSUTO
1
,
Hirohumi MIYAJI
2
1福井県立病院皮膚科
2福井県立病院神経内科
1Division of Dermatology,Fukui Prefectural Hospital,Fukui,Japan
2Division of Neurology,Fukui Prefectural Hospital,Fukui,Japan
キーワード:
無汗症
,
汗腺
,
自己免疫
,
ステロイド
Keyword:
無汗症
,
汗腺
,
自己免疫
,
ステロイド
pp.303-306
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102551
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要約 35歳,男性.4月より屋外作業中のうつ熱が出現した.7月以降,ほぼ全身の無汗に気づき,作業中の体温は40℃に達するようになった.血液検査,神経学的検査にて異常はなかった.ヨードデンプン反応による温熱発汗試験で全身性の無汗を確認した.病理組織学的には,汗腺分泌部へのリンパ球浸潤を認めるも,汗腺組織の変性・破壊像は欠いていた.特発性後天性全身性無汗症と診断し,ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン1,000mg/日×3日間)を2クール施行後,明らかな発汗を認めた.汗腺組織が障害される特発性後天性全身性無汗症の報告は少なく,病態も不明だが,何らかの免疫学的異常が関与していると推察された.治療法は確立していないが,ステロイド全身投与は有効であった.
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