Japanese
English
症例報告
ステロイド内服が著効した顔面に生じた硬化性粘液水腫の1例
A case of scleromyxedema on the face successfully treated with oral corticosteroid
林 裕嘉
1
,
森 布衣子
1
,
木花 いづみ
1
,
栗原 誠一
2
Yuka HAYASHI
1
,
Nuiko MORI
1
,
Izumi KONOHANA
1
,
Seiichi KURIHARA
2
1平塚市民病院皮膚科
2湘南皮膚科
1Division of Dermatology,Hiratsuka City Hospital,Hiratsuka,Japan
2Shonan Dermatology Clinic,Hiratsuka,Japan
キーワード:
硬化性粘液水腫
,
ムチン
,
TGF-β
,
ステロイド
Keyword:
硬化性粘液水腫
,
ムチン
,
TGF-β
,
ステロイド
pp.37-40
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102185
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要約 77歳,男性.初診の約3年前より両頰部に紅色局面が出現し,次第に拡大した.両上眼瞼,頰部に境界が比較的明瞭な自覚症状のない光沢を帯びた浸潤を触れる紅色硬化性局面がみられた.病理組織検査で真皮全層に膠原線維の増生,真皮の上層から中層の膠原線維の離開とムチンの沈着を認めた.甲状腺機能を含め内分泌異常,糖尿病,M蛋白血症はなかった.硬化性粘液水腫と診断し,トラニラスト,ニコチン酸トコフェロールの内服を開始し,症状はやや軽快したが,出血性膀胱炎が生じトラニラストを中止したところ再燃した.プレドニゾロン25mg/日の投与を開始し,皮疹は急速に改善した.本症の治療にはいまだ確立したものはないが,ステロイド内服有効例がいくつか報告されている.本疾患のステロイド治療の有用性を,ムチン沈着の機序から考察を加え検討した.
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