Japanese
English
症例報告
歩行障害をきたし,ステロイドが著効したmorphea profundaの1例
A case of morphea profunda
眞海 芳史
1
,
塩田 剛章
1
,
安田 文世
1
,
森 布衣子
1
,
木花 いづみ
1
Yoshifumi MAUMI
1
,
Takeaki SHIOTA
1
,
Fumiyo YASUDA
1
,
Nuiko MORI
1
,
Izumi KONOHANA
1
1平塚市民病院皮膚科
1Division of Dermatology,Hiratsuka City Hospital,Tokyo,Japan
キーワード:
morphea profunda
,
皮膚硬化
,
副腎皮質ステロイド
Keyword:
morphea profunda
,
皮膚硬化
,
副腎皮質ステロイド
pp.863-867
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103070
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 79歳,男性.数か月前から左下腿の皮膚が硬くなり,歩行が困難になった.左大腿から左下腿,下腹,左前腕に帯状の光沢を有する皮膚硬化局面があり,特に左下肢は硬化のため膝関節の伸展が不能で歩行障害をきたしていた.皮膚症状以外にはRaynaud現象,嚥下障害,呼吸困難などはなかった.抗Scl-70抗体,抗セントロメア抗体は陰性であった.左下腿の局面と比較的新しい硬化局面である左前腕,下腿生検部位の対称部位の右下腿健常部からの生検を施行した.病理組織学的所見では筋膜から膠原線維の増生が始まり,脂肪織,真皮下層に膠原線維の増生,膨化が及ぶ変化をとらえることができ,morphea profundaと診断した.副腎皮質ステロイドの投与で症状は改善し,歩行可能となった.本症を他の限局性強皮症と異なる独立した疾患単位として位置付ける意義について考按を加えた.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.