Japanese
English
症例報告
汗疱様皮疹を伴ったγ-グロブリン大量療法による薬疹の1例
A case of drug eruption with pompholyx-like eruption due to high-dose intravenous immunoglobulin
長田 彩
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
Aya OSADA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
γ-グロブリン大量療法
,
汗疱
,
薬疹
,
慢性炎症性脱髄性神経根炎
Keyword:
γ-グロブリン大量療法
,
汗疱
,
薬疹
,
慢性炎症性脱髄性神経根炎
pp.708-711
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102082
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要約 48歳,男性.慢性炎症性脱髄性神経根炎に対し,γ-グロブリン大量療法(0.4g/kg/日,5日間)開始4日目より掌蹠に水疱が多発し,その後,全身に丘疹と紅斑が出現した.初診時,顔面ではびまん性の浮腫性紅斑を,軀幹では多くは毛孔一致性の紅色丘疹と紅斑を認め,掌蹠には小水疱と紅色丘疹が混在していた.病理組織像は,表皮内水疱,表皮内浮腫,真皮上層の血管周囲に炎症細胞浸潤と,肩の紅斑では汗管周囲と,毛包壁内およびその周囲にも炎症細胞浸潤を認めた.検査所見で肝酵素の上昇を伴った.γ-グロブリン大量療法に伴う薬疹と考え,ステロイド外用と抗ヒスタミン薬の内服を行い,皮疹は約2週間で略治した.再びγ-グロブリン大量療法(2,3回目)を行ったところ,同様の皮疹が全身に出現し,初回より強い反応を呈したため,略治までに約3か月を要した.4回目はプレドニゾロン30mg/日内服を併用したところ,軽症で経過した.
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