Japanese
English
症例報告
摂食障害患者にみられた壊死性遊走性紅斑の1例
A case of necrolytic migratory erythema in a patient with eating disorder
大野 綾子
1
,
米山 恭子
1
,
中村 悠美
1
,
鎌田 憲明
1
,
神戸 直智
1
,
松江 弘之
1
Ayako OHNO
1
,
Kyoko YONEYAMA
1
,
Yuumi NAKAMURA
1
,
Noriaki KAMADA
1
,
Naotomo KAMBE
1
,
Hiroyuki MATSUE
1
1千葉大学医学部附属病院皮膚科
1Department of Dermatology, Chiba University Graduate School of Medicine, Chiba, Japan
キーワード:
壊死性遊走性紅斑
,
摂食障害
,
血清アミノ酸
,
血清亜鉛
Keyword:
壊死性遊走性紅斑
,
摂食障害
,
血清アミノ酸
,
血清亜鉛
pp.712-715
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102083
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要約 58歳,女性.数十年来のキャベツを主体とした極端に偏った食生活による摂食障害があった.初診の8か月前より両下肢に中心退色傾向のある,鱗屑を付す環状から不整形の紅斑が出現した.病理組織学的に錯角化を伴う過角化と表皮細胞の空胞変性,好酸性壊死を認め,血液検査上,複数のアミノ酸と亜鉛値が低下していた.グルカゴン値は正常で,グルカゴノーマは否定的であった.摂食障害による低栄養に伴う壊死性遊走性紅斑と診断した.アミノ酸,亜鉛製剤を投与し,血中アミノ酸,亜鉛値は改善し,皮疹も消失した.本症例は,摂食障害による低栄養状態が壊死性遊走性紅斑の原因となることを示唆した.
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