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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008
2. 皮膚疾患の病態
アトピー性皮膚炎におけるフィラグリンの異常
Mutations in the gene coding filaggrin are a major predisposing factor for atopic dermatitis in the Japanese population
秋山 真志
1
Masashi AKIYAMA
1
1北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Hokkaido University Graduate School of Medicine, Sapporo, Japan
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
魚鱗癬
,
フィラグリン
,
プロフィラグリン
,
皮膚バリア
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
魚鱗癬
,
フィラグリン
,
プロフィラグリン
,
皮膚バリア
pp.36-40
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101940
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要約 アトピー性皮膚炎の発症には,多様な病因が絡んでおり,その病像は,多岐にわたる増悪因子が複雑に相互作用して作り上げていると考えられている.アトピー性皮膚炎患者の一部は,角層のバリア機能障害を基礎として発症していると予想されていた.2006年,英国人において,表皮バリア関連蛋白の一つで,顆粒層のケラトヒアリン顆粒の主成分であるフィラグリンの遺伝子変異がアトピー性皮膚炎の重要な発症因子であることが示され,フィラグリン遺伝子変異による皮膚バリア機能異常がアトピー性皮膚炎発症と深く関係していることが認知された.2007年,われわれはヨーロッパ以外では初めて,日本人においてフィラグリン遺伝子変異を同定した.さらに,われわれの同定した東洋人に固有のフィラグリン遺伝子変異は,日本人におけるアトピー性皮膚炎の重要な発症因子であることを示した.
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