特集 変わりつつあるアトピー性皮膚炎の常識―最新の知識と治療の極意
第Ⅰ章 最新の知識
2 病態の新しい考え方
-❷皮膚バリア機能
吉田 和恵
1
,
久保 亮治
2
Kazue YOSHIDA
1
,
Akiharu KUBO
2
1国立成育医療研究センター,感覚器・形態外科部皮膚科,アレルギーセンター皮膚アレルギー科
2慶應義塾大学,皮膚科
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
フィラグリン
,
タイトジャンクション
,
Langerhans細胞
,
皮膚バリア
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
フィラグリン
,
タイトジャンクション
,
Langerhans細胞
,
皮膚バリア
pp.721-731
発行日 2019年5月31日
Published Date 2019/5/31
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001376
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最新の知識
◆角層の主要構成蛋白であるフィラグリンの遺伝子変異などによる皮膚バリア機能障害が,アトピー性皮膚炎の発症因子となる。
◆皮膚バリア機能障害により,経皮感作が亢進すると,アトピー性皮膚炎だけでなく,喘息,食物アレルギーなどの全身のアレルギー疾患の発症リスクがあがる。
◆炎症部表皮では,表皮タイトジャンクションバリアの外側に樹状突起を伸ばす活性化したLangerhans細胞が増加しており,表皮バリアの脆弱性により蛋白抗原への経皮感作が亢進している可能性がある。
◆皮膚バリアをよい状態に保ち,外来抗原の侵入を抑えることにより,新たな経皮感作やIgEを介したアレルギー反応を予防できることが期待される。
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