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増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024
2.皮膚疾患の病態
角層セラミド解析によるアトピー性皮膚炎再燃予測
The prediction of atopic dermatitis exacerbation by evaluation of stratum corneum ceramides
酒井 貴史
1
Takashi SAKAI
1
1大分大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Oita University, Yufu, Japan
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
角層セラミド
,
フィラグリン
,
プロアクティブ療法
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
角層セラミド
,
フィラグリン
,
プロアクティブ療法
pp.42-46
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207264
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summary
アトピー性皮膚炎とは,繰り返す湿疹を特徴とする頻度の高い炎症性皮膚疾患である.治療の基本は,ステロイド外用剤を中心とした外用療法であり,長期寛解維持のためにプロアクティブ療法の実施が推奨されている.しかしながら日常診療において,皮疹寛解導入後にプロアクティブ療法を開始すると,皮疹が容易に再燃するケースをしばしば経験する.そして今のところ,アトピー性皮膚炎寛解導入後の皮疹再燃予測は容易ではない.そこでわれわれは,フィラグリン遺伝子変異の有無,または,角層セラミドが,アトピー性皮膚炎の再燃しやすさに関連すると仮説を立て,臨床研究を行った.その結果,プロアクティブ療法開始時(皮疹寛解時)に角層セラミドを評価することで,その後の皮疹再燃を予測しうるという結果を見出した.本稿では,われわれが近年行った臨床研究の概説と,その結果から考えられるアトピー性皮膚炎の病態やマネジメントについて考察したい.
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