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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008
2. 皮膚疾患の病態
乾癬性関節炎の病態と治療―生物製剤が効くのか
Psoriatic arthritis:clinical manifestations, pathogenesis, and treatment
谷口 敦夫
1
Atsuo TANIGUCHI
1
1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター
1Institute of Rheumatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
乾癬性関節炎
,
抗リウマチ薬
,
TNF阻害薬
Keyword:
乾癬性関節炎
,
抗リウマチ薬
,
TNF阻害薬
pp.42-45
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101941
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要約 乾癬性関節炎(PsA)は多彩な臨床所見を呈し,多くは慢性に経過するうちに骨破壊を生じる疾患である.現在,日本ではメトトレキサート,スルファサラジン,シクロスポリンなどを用いた治療が行われている.しかし,これらの薬物の有効性を示すエビデンスは少なく,有効性も弱いと考えられている.PsAの病因はいまだ不明である.しかし,病変部の免疫学的な解析によりTNFαが重要であることが指摘されている.このことは,最近報告されたPsAに対するTNF阻害薬の有効性によっても裏付けられている.TNF阻害薬であるエタネルセプト,インフリキシマブ,アダリムマブは,いずれも良質な臨床研究によって末梢関節炎に対する有効性のみならず,骨破壊抑制や身体障害度の改善効果を有することが確認されている.脊椎病変や骨びらん以外の骨病変への有効性,長期効果について今後の検討が必要である.
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