Japanese
English
症例報告
治療に難渋した抗ラミニン5粘膜類天疱瘡
A case of refractory anti-laminin 5 mucous membrane pemphigoid
菊池 麻衣子
1
,
米田 真理
1
,
矢島 智子
1
,
大畑 千佳
1
,
大山 文悟
2
,
橋本 隆
2
Maiko KIKUCHI
1
,
Mari YONEDA
1
,
Tomoko YAJIMA
1
,
Chika OHATA
1
,
Bungo OHYAMA
2
,
Takashi HASHIMOTO
2
1市立池田病院皮膚科
2久留米大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Ikeda Municipal Hospital,Ikeda,Japan
2Department of Dermatology,Kurume University School of Medicine,Kurume,Japan
キーワード:
粘膜類天疱瘡
,
ラミニン5
,
口腔内病変
,
鼻腔内病変
Keyword:
粘膜類天疱瘡
,
ラミニン5
,
口腔内病変
,
鼻腔内病変
pp.973-976
発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102157
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要約 76歳,男性.初診の約1か月前から全身に掻痒を伴う紅斑が散発し,口腔内に水疱,びらんが生じてきた.紅斑は水疱となり,口腔内症状が悪化したため,当科を受診した.皮膚生検で表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgG,C3の線状沈着がみられ,粘膜類天疱瘡と診断した.ステロイド投与を開始したが口腔内水疱の新生が続き,ステロイドを増量したところ,水疱の新生は減少したが,減量とともに再燃し,鼻腔内のびらん,鼻出血も生じてきた.シクロスポリンを併用したが効果はなく,治療に難渋した.1M食塩水剝離皮膚を基質とした蛍光抗体間接法では真皮側にIgGが反応し,精製ラミニン5を用いた免疫ブロット法ではγ2サブユニットに反応を示した.以上の結果より,抗ラミニン5粘膜類天疱瘡と診断した.
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