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ただ今,第107回日本皮膚科学会総会の準備中です.私が会頭を務めさせていただきますが,新潟ではなく,京都での開催です.何故に京都かというと,103回から総会が皮膚科医のための教育学会へと変身し,学会の運営方針も大きく変わったからです.観光やご馳走目当てで参加し,また主催教室の看板を見せるだけの従来の学会とは違い,日皮会会員による,会員のための,真に有益な学会になりました.年1回開催で会員数約1万人ですので,会場の大きさや交通・宿泊の利便を考え,京都と横浜で交互の開催になりました.実際に,4千人規模の参加者で新潟市での開催は容易ではありません.本来,総会は日皮会の中核事業であり,社会的にも重要な学会ですので,原則としてその運営は日皮会事務が行い,内容は会員の要望や皮膚科の進歩を考慮して担当の委員会が決めるべきと思います.実際,新しい総会になり,開催収支は日皮会会計に包括され,学会の主体である教育講演は学術委員会が多くの皮膚科関連分野を考慮して立案し,土肥講演の演者も同委員会から候補が答申され,また,総会プログラム委員会が日皮会の正式の委員会として組織されています.かなり中央化していますが,私や事務局(教室)がコンベンションとやり取りし,企業展示や寄付を依頼するなど,まだ改善すべき問題が多々あります.会頭としては,皮膚科学への想いを込めて会頭講演をし,特別講演を企画することで十分に名誉なことと思います.
話は少し変わりますが,総会が教育学会として生まれ変わりましたが,皮膚科専門医の獲得単位は多いものの,専門医制度における総会の位置付けは未だ不十分と感じます.3日目の総会終了間際に参加して単位をもらっていく専門医もいるようです.これでは皮膚科専門医の質が問われますので,専門医資格認定委員会では,総会の教育講演コースをいくつ受講したかを専門医更新要件の一つにしてはと検討しています.日皮会が会員に発行している会員証・会員番号による受講確認や各コース終了時のマークシート提出もよいかもしれません.いずれ,皮膚科専門医でなければ「皮膚科」を標榜できなくなる時が来ると思いますが,それにはわれわれ皮膚科専門医が,社会に認められる形で確かな研鑽を積んでいく必要があるでしょう.多数の会員の参加をお待ちしています.
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