Derm.2007
皮膚科医のポジショニング
三砂 範幸
1
1佐賀大学医学部皮膚科
pp.163
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101661
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われわれが佐賀市で主催した西部支部学術大会が,無事成功裡に終了した.西部だけでなく,他支部からも多数ご参加いただき,参加者の先生方には,この場をお借りして心から感謝申し上げる次第である.学会を終えて,達成感と満足感の一方で,異様に湧き上がってくる虚脱感と対峙しながら,今この原稿を書き始めたところである.
さて,看護部と共同で定期的に褥瘡回診を行っているが,その主な仕事の一つが褥瘡患者のポジショニングのチェックである.私は,その“ポジショニング”という言葉が気に入っている.ポジショニングは,褥瘡の予防・治療において,外用療法よりも重要な位置を占めるが,その言葉の響きがよい.ポジショニングを国語辞典で調べると,「さまざまなスポーツにおいて,相手の攻守の型を見抜いて,自分の位置をとること」と記してある.昔,“王シフト”なるものがあったのを思い出す.この言葉の応用範囲は広く,マーケティング用語にもなっている.「ターゲット市場の顧客の心のなかに独自の位置(ポジション)を占めるために,企業が自社の提供物とそのイメージをデザインすることを指す:ポジショニングは自社を他社と差別化するために行う」とマーケティング用語集に,その言葉の意味として記載してあった.
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