発行日 2006年7月20日
Published Date 2006/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2006318739
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肺がん治療薬ゲフィチニブ(イレッサ)による副作用の1つに皮膚障害(ざ瘡様皮疹,乾皮症,脂漏性皮膚炎など)がある.難治性のものには,現在効果的な治療法がなく,苦痛を抱えながら内服継続,または中断する場合がある.皮膚症状の緩和目的のため民間療法として知られているビワ葉エキス(以下エキス)塗布はアトピーやあせもなどに効果があり,その効果がゲフィチニブによる乾皮症の症状と重なることに着目した.今回,乾皮症の患者に実施し,エキス塗布開始から早期に症状の改善が得られた.自然治癒を否定できないが,塗布中止後に症状が再出現しエキス塗布再開で症状軽減したことから効果があったと考えた.エキスにはアルコールが含まれており,しみるなどの刺激性が予測されたが訴えなく,精製水やグリセリンで希釈したことが効果的であったと考える.エキス塗布は民間療法であるが,作製が容易で安価でもあること,早期に効果が期待できることから,適切な症例を選択した使用方法により,患者の苦痛を少しでも軽減し,治療の継続と闘病生活の援助を行うことができると考える
©Nankodo Co., Ltd., 2006