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特集 最近のトピックス2003 Clinical Dermatology 2003
3.新しい検査法と診断法
抗topoisomerase I抗体価と全身性強皮症の臨床的重症度および活動性について
Anti-topoisomerase I antibody levels correlate with clinical severity and activity in systemic sclerosis
佐藤 伸一
1
Shinichi SATO
1
1金沢大学大学院医学系研究科皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,Kanazawa University Graduate School of Medical Science
キーワード:
抗topoisomerase I抗体
,
全身性強皮症
,
重症度
,
活動性
,
予後
Keyword:
抗topoisomerase I抗体
,
全身性強皮症
,
重症度
,
活動性
,
予後
pp.81-86
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101237
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抗topoisomerase I(topo I)抗体は全身性強皮症(systemic sclerosis:SSc),特に重症型に特徴的な自己抗体である.しかし抗topo I抗体陽性SScの約30%は軽症型である.従来,抗topo I抗体の力価は重症度や活動性を反映しないと信じられてきたが,この考えが本当に正しいかどうかを検討した.ELISAによる抗topo I抗体価は皮膚硬化,肺線維症,血管病変の程度と相関した.さらに抗topo I抗体価の経時的変化を検討したところ,経過中の抗topo I抗体価の上昇は皮膚硬化の悪化,新たな内臓病変の出現と相関した.逆に皮膚硬化が萎縮期に入り改善すると,抗topo I抗体価は低下した.初診時に抗topo I抗体価の低い軽症例では,経過中も力価の上昇はみられなかった.以上より,抗topo I抗体価は重症度を反映する指標であり,さらに経過中の力価の変動は疾患の活動性を反映することが明らかとなった.
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