Japanese
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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994
III 新しい検査法と診断法
強皮症における抗ヒストン抗体
Antihistone antibodies in scleroderma
佐藤 伸一
1
,
竹原 和彦
1
Shinichi SATO
1
,
Kazuhiko TAKEHARA
1
1東京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
限局性強皮症
,
全身性強皮症
,
抗核抗体
,
抗ヒストン抗体
,
肺線維症
Keyword:
限局性強皮症
,
全身性強皮症
,
抗核抗体
,
抗ヒストン抗体
,
肺線維症
pp.92-97
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901200
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限局性強皮症(LSc)は多彩で高度な免疫学的異常を伴うことが知られている.このうち抗核抗体はLScの46〜80%に検出されるが,その対応抗原は現在までほとんど明らかにされていなかった.そこで我々はELISA,免疫ブロット法を用いてその対応抗原の同定を試みた.ELISAにて抗ヒストン抗体(AHA)はLSc全体の47%に陽性で,特にGMでは87%に陽性であり,吸収試験の結果も併せてLScで検出される抗核抗体の主要対応抗原はヒストンであることが示された.また全身性強皮症(SSc)におけるAHAの臨床的意義はこれまで検討されておらず,今回我々は併せて検討した.AHAはSScにおいても29%に検出されdiffuse cutaneous SSc,抗トポイソメラーゼI抗体,肺線維症と強い相関がみられた.さらに肺線維症を有する症例の中でも重症の肺線維症と相関していたことより,AHAはSScにおいて肺線維症の重症度を示す血清学的な指標と考えられた.
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