Japanese
English
症例報告
抗RNA polymerase I/III/II抗体が検出された全身性強皮症の1例
A case of systemic sclerosis with anti-RNA polymerase I/III/II antibody
泉 祐子
1
,
簗場 広一
1
,
延山 嘉眞
1
,
中川 秀己
1
,
坪井 伸夫
2
,
小島 淳
3
Yuko IZUMI
1
,
Koichi YANABA
1
,
Yoshimasa NOBEYAMA
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
,
Nobuo TSUBOI
2
,
Jun KOJIMA
3
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
2東京慈恵会医科大学腎臓高血圧内科
3東京慈恵会医科大学呼吸器内科
1Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine,Tokyo,Japan
2Department of Nephrology,The Jikei University School of Medicine,Tokyo,Japan
3Department of Pulmonary,The Jikei University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
全身性強皮症
,
抗RNA polymerase抗体
,
強皮症腎クリーゼ
,
肺高血圧
,
色素沈着
Keyword:
全身性強皮症
,
抗RNA polymerase抗体
,
強皮症腎クリーゼ
,
肺高血圧
,
色素沈着
pp.1025-1029
発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102765
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 67歳,女性.2年前に間質性肺炎を指摘された.同時期より手指の腫脹と前腕の色素脱失を自覚したが放置していた.2009年3月,呼吸苦を主訴に来院し,心不全,高血圧,急性腎不全で入院した.手指から急速に進行する全身性の皮膚硬化と広範な色素異常,爪上皮出血点を認めた.また,前腕皮膚に真皮全層における膠原線維の膨化増生がみられ,患者血清を用いた免疫沈降法で抗RNA polymerase I/III/II抗体が検出されたことから全身性強皮症と診断した.腎障害の急速な進行とともに,急激な皮膚硬化と色素沈着を呈し,初診より4か月後,腎クリーゼ,間質性肺炎,および,肺高血圧の増悪により永眠した.抗RNA polymerase I/III/II抗体が検出される全身性強皮症は,腎クリーゼや心筋障害をきたしやすいが,発症早期に治療ができれば,予後は良好とされている.早期に抗体測定を行い,診断することが重要であると考えた.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.