Japanese
English
症例報告
出生時にみられた新生児中毒性紅斑の1例
A case of erythema toxicum neonatorum present at birth
谷岡 未樹
1
,
本田 えり子
1
,
高垣 謙二
1
Miki TANIOKA
1
,
Eriko HONDA
1
,
Kenji TAKAGAKI
1
1島根県立中央病院皮膚科
1Depertment of Dermatology,Shimane Prefectural Central Hospital
キーワード:
新生児中毒性紅斑
,
新生児
,
膿疱
,
Wright染色
Keyword:
新生児中毒性紅斑
,
新生児
,
膿疱
,
Wright染色
pp.380-382
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101208
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出生直後の満期産男児.母親の健康状態,妊娠経過に問題なし.出生時より全身に散在する膿疱を認め,無呼吸発作を伴ったためにNICU入室となった.羊水は胎便により混濁し,CRP値は上昇していた.これらの所見から膿疱の原因は感染症だと考えられたが,膿疱内容物のWright染色では好酸球がほとんどであり,細菌,真菌,多核巨細胞がみられなかったため,新生児中毒性紅斑が疑われた.皮疹は無治療で軽快傾向を示し,生後10日目には消失した.臨床経過と併せて新生児中毒性紅斑と診断した.新生児中毒性紅斑は新生児の生理的皮膚変化の一つであるが,生下時よりみられることは稀である.新生児に生じた膿疱の鑑別診断にあたっては,膿疱内容物のWright染色が簡便で有用性の高い検査と思われた.
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