Japanese
English
症例報告
新生児中毒性紅斑の1例
A case of erythema toxicum neonatorum
平川 彩子
1
,
簗場 広一
1
,
小林 光
1
,
上出 良一
1
,
中川 秀己
1
Ayako HIRAKAWA
1
,
Koichi YANABA
1
,
Hikaru KOBAYASHI
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
新生児中毒性紅斑
Keyword:
新生児中毒性紅斑
pp.255-258
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204693
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要約 生後1日の満期産女児.母体の感染徴候はなく,児の全身状態は良好であった.出生20時間後から皮疹が出現し,小児科より当科を紹介され受診した.初診時,背部から大腿部にかけて周囲に紅暈を伴う米粒大から拇指頭大の浸潤を強く触れる黄白色丘疹が散在し,一部は融合していた.皮疹は3日後に色素沈着を残さず自然消退した.病理組織像では,毛包内外に好酸球,好中球が密に浸潤していた.臨床経過と併せて新生児中毒性紅斑と診断した.新生児中毒性紅斑は,出産後の新生児が,胎外の環境に順応する際の一過性反応であり,生後24〜72時間にみられる.新生児の生理的皮膚変化の1つであるため,出産後24時間を経過しないうちに出現することも稀にある.本症を皮膚科医が診察する機会は比較的少ない.よって,新生児の診察を行う際には認識すべき疾患の1つとして重要である.
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