Japanese
English
原著
悪性黒色腫の診断におけるdelayの分析
Delay and related factors in the diagnosis of malignant melanoma
竹之内 辰也
1
,
須山 孝雪
1,2
Tatsuya TAKENOUCHI
1
,
Takayuki SUYAMA
1,2
1新潟県立がんセンター皮膚科
2新潟大学大学院医歯総合研究科分子細胞医学専攻細胞機能講座皮膚科科学分野
1Division of Dermatology,Niigata Cancer Center Hospital
2Division of Dermatology,Depertment of Cellular Function,Course for Molecular and Cellular Medicine,Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences
キーワード:
悪性黒色腫
,
patient delay
,
physician delay
,
早期診断
Keyword:
悪性黒色腫
,
patient delay
,
physician delay
,
早期診断
pp.8-12
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101121
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
悪性黒色腫の早期発見のための啓蒙活動の方向性を探る目的で,1996~2001年までに新潟県立がんセンターで治療した悪性黒色腫患者43名の病歴調査を行い,患者が最初に皮疹に気付いてから黒色腫の診断が下されるまでの期間(delay)についてその要因を分析した.patient delay(皮疹発見~最初の医療機関受診まで)の中央値は24か月(0~120か月)で,露出部発生例と悪性の不安を持たなかった例で延長しており,physician delay(最初の受診~診断確定まで)の中央値は0.3か月(0~26か月)で,結節型の症例で有意に延長していた.現存中の35名に対する聞き取り調査では“悪性黒色腫”の病名を以前から知っていたのは4名(11%)のみであった.大衆向けには黒色腫をはじめとする皮膚癌の存在を広く認識させることがまず必要で,医療者向けには非定型的な形態を呈する黒色腫への注意を喚起すべきと思われた.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.