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増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024
5.皮膚科医のための臨床トピックス
水疱性類天疱瘡のデュピルマブによる治療
Treatment of bullous pemphigoid with dupilumab
高村 さおり
1
Saori TAKAMURA
1
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Saitama Medical University, Saitama Medical Center, Kawagoe, Japan
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
デュピルマブ
,
末梢血好酸球数
,
血清IgE値
,
2型免疫応答
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
デュピルマブ
,
末梢血好酸球数
,
血清IgE値
,
2型免疫応答
pp.159-162
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207299
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summary
水疱性類天疱瘡の中等症以上ではステロイド全身投与が第一選択であるが,治療に反応しない症例やステロイド減量中に再発を認める症例など治療に難渋することも多い.高齢者では,副作用も問題となることから,ステロイドに依存しない病態に即した治療標的が望まれる.われわれはデュピルマブ単独療法で速やかに症状が改善した水疱性類天疱瘡の症例を経験した.デュピルマブ開始2週後に痒みと紅斑は改善し,1か月後には水疱の新生が止まった.寛解後,皮疹の改善とともに2型免疫応答を示唆する末梢血好酸球数,血清immunoglobulin E(IgE)値および血清thymus and activation-regulated chemokine(TARC)値は低下した.このことは,水疱性類天疱瘡の病態に2型免疫応答が関与しており,デュピルマブは水疱性類天疱瘡の治療選択肢の1つになる可能性があると考えた.
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