Japanese
English
症例報告
非典型的な臨床像を呈したBazin硬結性紅斑の1例
A case of erythema induratum of Bazin with clinically atypical lesions
石田 智子
1
,
椛島 健治
1
,
宮地 良樹
1
Tomoko ISHIDA
1
,
Kenji KABASHIMA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology,Kyoto University Hospital
キーワード:
結核疹
,
Bazin硬結性紅斑
,
壊疽性丘疹状結核疹
,
抗結核療法
Keyword:
結核疹
,
Bazin硬結性紅斑
,
壊疽性丘疹状結核疹
,
抗結核療法
pp.1029-1032
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101055
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要約 81歳,女性.両前腕および左下腿に散在する紅色丘疹を主訴に受診した.生検で真皮深層から皮下結合組織にかけて中心乾酪壊死を伴うgranulomatous inflammationがみられ,類上皮細胞,Langhans型巨細胞,および広範囲に及ぶ血管壊死を伴っていた.ツベルクリン反応は強陽性であったが,胸部X線・CT検査では結核を示唆する所見はなかった.3剤併用抗結核療法で速やかに皮疹が改善した.ツベルクリン反応強陽性で乾酪壊死を認め,抗結核療法に速やかに反応したことから結核疹と考えた.病理組織学的にBazin硬結性紅斑に矛盾しないものの,臨床像が小型で潰瘍を伴わずBazin硬結性紅斑の典型例とは異なっていた.壊疽性丘疹状結核疹との鑑別が問題となったが,全経過を通じて痂皮や潰瘍を全く認めないことから否定した.これにより臨床像は非典型的であるが,Bazin硬結性紅斑と診断した.
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