Japanese
English
症例報告
15歳女児の爪甲下に生じた悪性黒色腫の1例
A case of subungual malignant melanoma in a 15-year-old girl
中井 真理子
1
,
小林 康隆
1
,
長井 泰樹
1
,
延山 嘉眞
1
,
小松崎 眞
1
,
上出 良一
1
,
中川 秀己
1
,
横井 清
2
Mariko NAKAI
1
,
Yasutaka KOBAYASHI
1
,
Yasuki NAGAI
1
,
Yosimasa NOBEYAMA
1
,
Makoto KOMATUZAKI
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
,
Kiyoshi YOKOI
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
2さくらヒフ科
1Department of Dermatology,the Jikei University,School of Medicine
2Sakura Clinic
キーワード:
小児悪性黒色腫
,
爪甲下悪性黒色腫
,
Spitz母斑
Keyword:
小児悪性黒色腫
,
爪甲下悪性黒色腫
,
Spitz母斑
pp.487-491
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100920
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15歳,女児.初診の約5年前に,右第1趾爪甲下の5×3mm大の黒色斑に気づいた.徐々に増大したため当科を受診した.初診時,右第1趾爪甲下に11×6mm大,境界明瞭,色むらのない歪んだ長方形の隆起性黒色病変を認めた.Spitz母斑を疑い辺縁から2mm離して切除した.病理組織では表皮から真皮中層にかけて大小不同の核異型を伴う腫瘍細胞がシート状に増殖し,一部に核分裂像および表皮内の個別性増殖がみられた.悪性黒色腫と診断し,術後21日目にセンチネルリンパ節生検を施行したところ,鼠径リンパ節にメラニン顆粒を有する大型から中型の紡錘形の細胞が密にみられた.画像検査では他部位に転移はなく,以上より悪性黒色腫stageⅢB(pT2aN2bM0)と診断した.右鼠径リンパ節郭清術および原発巣の拡大切除術後,DAV-Feron療法を5クール施行した.初診から10か月経過した現時点において,再発や転移は認めない.
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