Japanese
English
症例報告
抗血栓薬の内服中に生じたアナフィラクトイド紫斑の2例
Two cases of anaphylactoid purpura developing during oral administration of antithrombotic drugs
尾上 智彦
1
,
大原 夕佳
1
,
長井 泰樹
1
,
堀 和彦
1
,
幸田 公人
1
,
上出 良一
1
,
中川 秀己
1
Tomohiko ONOE
1
,
Yuka OHARA
1
,
Yasuki NAGAI
1
,
Kazuhiko HORI
1
,
Masato KOHDA
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科
1Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine
キーワード:
抗血栓薬
,
アスピリン
,
塩酸チクロピジン
,
アナフィラクトイド紫斑
Keyword:
抗血栓薬
,
アスピリン
,
塩酸チクロピジン
,
アナフィラクトイド紫斑
pp.781-784
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100991
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抗血栓薬の内服中に生じたアナフィラクトイド紫斑の2例を報告する.症例1:56歳,男性.アスピリン,塩酸チクロピジンを内服中.下肢を中心に上肢,腰臀部に融合傾向のある紫斑が多発した.症例2:60歳,男性.アスピリンを内服中.下腿に融合傾向の強い紫斑を生じた.両症例とも病理組織学的にleukocytoclastic vasculitisを呈し,蛍光抗体直接法では真皮乳頭層の血管内皮細胞にIgA,C3陽性であり,アナフィラクトイド紫斑と診断した.当科で過去3年間に経験したアナフィラクトイド紫斑28例の検討では,抗血栓薬を内服中の症例では紫斑が下肢以外の部位に及ぶ,あるいは点状紫斑以外に融合傾向の強い紫斑,水疱,びらん,潰瘍などを呈する傾向が示された.
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