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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1990
I 最近話題の疾患とその病態
急速な成長を示す爪の色素線条
Growing pigmented nail band
加藤 泰三
1
Taizo KATO
1
1東北大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
爪甲色素線条
,
growing pigmented nail band
,
subungual melanoma in situ
,
爪甲下悪性黒色腫
,
小児悪性黒色腫
Keyword:
爪甲色素線条
,
growing pigmented nail band
,
subungual melanoma in situ
,
爪甲下悪性黒色腫
,
小児悪性黒色腫
pp.504-508
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900094
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成人の爪の色素線条が比較的急速に拡大する場合には,それを爪甲下悪性黒色腫の一つの前駆病変ないしそのin situの状態として考えることにそれほど抵抗はない.しかし,幼小児例のgrowing pigmented nail band(GPNB)については,これらが自然消退してしまうこともあり,また現在までGPNBから発展した小児の爪甲下悪性黒色腫の確実例がないことなどから,成人例と同じレベルで扱うことには若干の問題がある.我々は今回3例の小児GPNB例について組織学的に検討し,GPNBの病態が基底層に沿ったmelanocytic hyperplasiaであることを観察した.症例によって細胞の異型性の程度には軽重の差があるものの,少なくとも色素性母斑ないし単純黒子の組織像とは全く異なるものであり,基本的には成人のsubungual melanoma in situに合致するものと思われた.現時点における小児GPNBの取り扱いについて言及したい.
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