Japanese
English
症例
爪甲下に生じた末端黒子型黒色腫の小児例
A Pediatric Case of Subungual Acral Lentiginous Melanoma
尾本 百香
1
,
葉山 惟大
1
,
木村 久美子
1
,
照井 正
1
Momoka OMOTO
1
,
Koremasa HAYAMA
1
,
Kumiko KIMURA
1
,
Tadashi TERUI
1
1日本大学医学部,皮膚科学分野(主任:照井 正教授)
キーワード:
爪甲下悪性黒色腫
,
小児
,
外傷
,
無色素性黒色腫
,
爪甲線条
Keyword:
爪甲下悪性黒色腫
,
小児
,
外傷
,
無色素性黒色腫
,
爪甲線条
pp.1444-1448
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001555
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
13歳,男児。約1年前,左第1趾爪甲に後爪郭から先端に行くに従い狭小化する褐色色素線条を認めた。1カ月前に同部位を踏まれた後から色素線条が拡大したため受診した。爪甲は変形し粗糙となり,先端部には淡紅色の表面乳頭状の結節を伴っていた。ダーモスコピーでは色素線条の辺縁で爪甲下出血を伴う色調の比較的均一な黒色線条であり,爪甲色素性母斑や爪甲下出血を,結節部は尋常性疣贅を疑い冷凍凝固療法を行った。結節は約1カ月後にドーム状に増大していたため生検した。その結果,悪性黒色腫,末端黒子型の診断であった。自験例は外傷を契機に急速に増大した若年性の悪性黒色腫の症例であり,外傷歴のある爪甲下悪性黒色腫の報告は多く,外傷の関連が重視されている。また小児の場合,成人に比べ外傷が加わると腫瘍の増大が急速である可能性が考えられた。
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.