Japanese
English
症例報告
趾縁部に生じ悪性黒色腫との鑑別を要するダーモスコピー所見を呈したSpitz母斑の1例
A case of Spitz nevus with the difficulty to be differentiated from malignant melanoma on dermoscopy
宋 美里
1
,
小林 祐香莉
1
,
星野 雄一郎
1
,
貞安 杏奈
1
,
渡邉 荘子
1
,
石崎 純子
1
,
田中 勝
1
Misato SO
1
,
Yukari KOBAYASHI
1
,
Yuichiro HOSHINO
1
,
Anna SADAYASU
1
,
Soko WATANABE
1
,
Sumiko ISHIZAKI
1
,
Masaru TANAKA
1
1東京女子医科大学東医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University Medical Center East, Tokyo, Japan
キーワード:
Spitz母斑
,
悪性黒色腫
,
ダーモスコピー
,
趾縁部
Keyword:
Spitz母斑
,
悪性黒色腫
,
ダーモスコピー
,
趾縁部
pp.314-318
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205677
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要約 30歳,女性.15年前より左第1趾側縁部に褐色斑があった.初診時,9.6×9.9mm大の表面に鱗屑を付し,中央部が軽度隆起する褐色局面がみられた.ダーモスコピーで趾腹側辺縁部では二本点線亜型の皮溝平行パターンがあり,趾背側では境界明瞭な色素小球,中央では無色素領域があり,赤色小湖や糸球体状血管がみられ,全体的には多構築パターンを呈していた.3mmマージンで全摘手術を施行した.病理組織学的所見では,表皮真皮境界部から真皮乳頭層にかけて左右対称な縦長で境界明瞭な胞巣が規則正しく配列し,経表皮排出を伴う.真皮内胞巣を構成する細胞は好酸性の細胞質に富み,深部にいくほど小型化し,maturationがみられた.以上からSpitz母斑と診断した.足趾のSpitz母斑は稀であり,趾腹と趾背にまたがるため,多構築パターンを呈し悪性黒色腫との慎重な鑑別を要した.
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