Japanese
English
症例報告
結節性紅斑様皮疹で発症した結節性多発動脈炎の1例
A case of polyarteritis nodosa following erythema nodosum-like eruption
林 昌浩
1
,
木根淵 智子
1
,
山田 真枝子
1
,
川口 雅一
1
,
門馬 文子
1
,
三橋 善比古
1
,
近藤 慈夫
1
,
安孫子 広
2
Masahiro HAYASHI
1
,
Tomoko KINEBUCHI
1
,
Makiko YAMADA
1
,
Masakazu KAWAGUCHI
1
,
Fumiko MONMA
1
,
Yoshihiko MITSUHASHI
1
,
Shigeo KONDO
1
,
Hiroshi ABIKO
2
1山形大学医学部皮膚科
2山形大学医学部第一内科
1Department of Dermatology,Yamagata University School of Medicine
2The First Department of Internal Medicine,Yamagata University School of Medicine
キーワード:
結節性多発動脈炎(PN)
,
結節性紅斑(EN)様皮疹
Keyword:
結節性多発動脈炎(PN)
,
結節性紅斑(EN)様皮疹
pp.437-440
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100906
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25歳,男性.2004年3月頃から下腿に圧痛を伴う紅斑と関節痛が出現した.皮疹の所見,生検組織像から結節性紅斑(EN)と考え,入院のうえ安静と消炎鎮痛薬の内服で改善したため退院した.8月中旬より下腿の紅斑が増加し潰瘍化してきたため再入院した.潰瘍周囲の紅斑の生検で,真皮下層から脂肪織に壊死性血管炎の像がみられた.抗核抗体,MPO-ANCA,PR3-ANCAはいずれも陰性であった.下肢のしびれ感,腹痛,下血も出現した.下部消化管内視鏡で上行結腸粘膜の発赤を認めた.胸腹部CTおよび腹部大動脈分枝の動脈造影では異常所見はなかった.結節性多発動脈炎(PN)と診断しステロイドパルス療法を行ったところ,下血・腹部症状は消失し,下腿の潰瘍も徐々に上皮化した.PNは時にEN様皮疹で発症することがあり,注意を要する.
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