Japanese
English
症例報告
全身性への移行が考えられる皮膚結節性多発動脈炎の1例
A case of polyarteritis nodosa cutis that is suspected of systemic polyarteritis nodosa
水野 京子
1
,
永岡 譲
1
,
足立 真
1
,
永田 茂樹
2
Kyoko MIZUNO
1
,
Yuzuru NAGAOKA
1
,
Makoto ADACHI
1
,
Shigeki NAGATA
2
1関東労災病院皮膚科
2公立昭和病院皮膚科
1Department of Dermatology,Kanto-Rosai Hospital
2Department of Dermatology,Showa General Hospital
キーワード:
結節性多発動脈炎(PN)
,
皮膚結節性多発動脈炎(PNC)
,
壊死性血管炎
Keyword:
結節性多発動脈炎(PN)
,
皮膚結節性多発動脈炎(PNC)
,
壊死性血管炎
pp.1103-1106
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101073
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46歳,男性.初診より数週間前に頭痛と発熱,両下腿の浮腫および疼痛が出現した.蜂窩織炎と診断し加療していたが,両下肢と両前腕に大豆大までの浸潤の強い類円形紅斑が出現し,局所圧痛と睾丸痛も存在した.右大腿部と下腿の浸潤を触れる紅斑部の生検で,小動脈の内膜にフィブリノイド壊死性血管炎が認められた.血液検査所見ではCRPの上昇がみられ,P-ANCA,C-ANCAと抗核抗体は陰性であった.尿検査,胸部X線,心電図と心エコーに異常所見はなかった.血圧も正常範囲内であった.以上より,結節性多発動脈炎の本邦診断基準を満たさず,皮膚結節性多発動脈炎と診断した.しかし,American College of Rheumatologyの診断基準では結節性多発動脈炎になるため,全身性への移行を念頭に置き,経過観察すべき症例と考えた.
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