Japanese
English
症例報告
潰瘍性大腸炎に対する大腸全摘後に発症した結節性紅斑の1例
A case of erythema nodosum developed after total proctocolectomy for ulcerative colitis
矢口 順子
1
,
川口 雅一
1
,
門馬 文子
1
,
鈴木 民夫
1
Yoriko YAGUCHI
1
,
Masakazu KAWAGUCHI
1
,
Fumiko MOMMA
1
,
Tamio SUZUKI
1
1山形大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, School of medicine, Yamagata University, Yamagata, Japan
キーワード:
結節性紅斑
,
潰瘍性大腸炎
,
腸管外合併症
,
外科治療
Keyword:
結節性紅斑
,
潰瘍性大腸炎
,
腸管外合併症
,
外科治療
pp.27-30
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103510
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要約 33歳,女性.31歳時,妊娠を契機に潰瘍性大腸炎を発症した.内科治療に抵抗性のため大腸全摘術を受けたが,術後より,下腿に疼痛を伴う紅色結節が出現するようになった.受診時,右下腿伸側と屈側に有痛性の皮下硬結を認めた.皮疹部の病理組織像で脂肪隔壁と脂肪細胞間に好中球を主体とする炎症細胞浸潤を認め,潰瘍性大腸炎に伴う結節性紅斑と診断した.病変部である大腸が全摘された後,下痢などの消化器症状とともに皮膚症状を認めたことから,回腸囊炎に伴い結節性紅斑が出現した可能性が考えられた.潰瘍性大腸炎における外科治療の前後では皮膚症状の変化や新たな発症の可能性を念頭に置き,注意して診察していくことが重要と思われた.
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