Japanese
English
症例報告
色素性乾皮症D群の1例
A case of xeroderma pigmentosum group D
小野 藤子
1
,
上出 良一
1
,
森脇 真一
2
Fujiko ONO
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
,
Shinichi MORIWAKI
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
2浜松医科大学光量子医学研究センター
1Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine
2Photon Medical Research Center,Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
色素性乾皮症
,
XPD
,
相補性試験
,
ヌクレオチド除去修復
,
転写因子
Keyword:
色素性乾皮症
,
XPD
,
相補性試験
,
ヌクレオチド除去修復
,
転写因子
pp.162-164
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100518
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要約 3歳,女児.二卵性双生児の妹.血族結婚および血族内に同症はない.生後3か月頃より日光曝露後,露出部皮膚に紅斑を生じ,時に水疱を形成し,3~4日で落屑を生じて軽快することを繰り返していた.初診時,顔面を含む露光部皮膚には紅斑,雀卵斑様色素斑,毛細血管拡張や乾皮症はみられなかった.運動の拙劣さと構音の遅れがあるものの,病的な遅れはなかった.UVB照射後の最少紅斑量は24時間後に19.5mJ/cm2と低下し,72時間後では6.5mJ/cm2とさらに低下しており,紅斑反応の遅延がみられた.患者皮膚由来培養線維芽細胞の紫外線照射後の不定期DNA合成能は有意な低下(正常の35%)を示し,プラスミド宿主細胞回復を指標としたXP相補性試験では,XPD遺伝子を導入したときのみDNA修復能の回復を認めた.以上の臨床所見,検査結果から本症例を色素性乾皮症D群と診断した.サンスクリーンを含む厳重な光線防御にて経過観察中である.
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