Japanese
English
症例報告
色素性乾皮症バリアントの1例
A case of xeroderma pigmentosum variant
佐伯 秀久
1,3
,
江藤 隆史
1
,
戸田 淨
1
,
山泉 克
2
Hidehisa SAEKI
1,3
,
Takafumi ETOH
1
,
Kiyoshi TODA
1
,
Masaru YAMAIZUMI
2
1東京逓信病院皮膚科
2熊本大学医学部遺伝発生医学研究施設分子病態部門
3東京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Teishin Hospital
2Department of Cell Genetics, Insitute of Molecular Embryology and Genetics, Kumamoto University School of Medicine
キーワード:
色素性乾皮症
,
バリアント
,
最小紅斑量
,
除去修復
,
複製後修復
Keyword:
色素性乾皮症
,
バリアント
,
最小紅斑量
,
除去修復
,
複製後修復
pp.448-450
発行日 1998年5月1日
Published Date 1998/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902561
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43歳,男性.10歳頃より日光裸露部に褐色斑が出現し,加齢とともに増加し色調も濃くなった.顔面,頸部,前腕などに,半米粒大から爪甲大までの黒褐色斑を多発して認めた.組織学的に,表皮基底層ではメラニン色素の増加とメラノサイトの増殖を認め,真皮上層ではメラノファージの増生がみられた.不定期DNA合成量,紫外線照射後のRNA合成の回復は正常だが,紫外線照射後のS期DNA合成の回復が低下していることから,色素性乾皮症バリアントの診断が確定した.色素性乾皮症などの光線過敏症を疑った場合,このような系統的診断法により早期に診断を確定し,日焼け止めクリームの外用などにより,皮膚悪性腫瘍の発症を予防することが重要であると考えられた.
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