Japanese
English
症例報告
D群色素性乾皮症の1例
A Case of Xeroderma Pigmentosum Complementation Group D
軽部 幸子
1
,
井上 靖
1
,
田嶋 公子
1
,
池田 重雄
1
Sachiko KARUBE
1
,
Yasushi INOUE
1
,
Kimiko TAJIMA
1
,
Shigeo IKEDA
1
1埼玉医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Saitama Medical School
キーワード:
色素性乾皮症
,
基底細胞上皮腫
,
日光角化症
Keyword:
色素性乾皮症
,
基底細胞上皮腫
,
日光角化症
pp.951-954
発行日 1991年11月1日
Published Date 1991/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900479
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
症例は40歳,女性.父母がいとこ婚.弟の顔,上肢にも患者同様の色素沈着がみられる.乳児期より日光照射後に顔面や上肢などに紅斑が出現し,その後色素沈着が残った.15カ月前より左頬部に紅斑が生じ,8カ月前より同部が隆起し中央が潰瘍化した.6カ月前より鼻尖部に痂皮が出現.初診時,口唇を含む顔面,頸部,上肢伸側に半米粒大までの褐色〜黒褐色の色素斑と萎縮を伴う脱色素斑が散在し,左頬部に黒色小結節より成り,中央が潰瘍化した8×6mmの結節,鼻尖部に3×3mmの痂皮を伴う潰瘍が認められる.皮膚光線テストでMEDは低下し,紅斑反応のピークは72時間と遅延.細胞学的検索でUDS能45%,紫外線照射による致死感受性はD0値0.9J/m2,相補性テストでD群85 TOとのみ相補せず,D群色素性乾皮症と診断した.眼科・耳鼻科・神経学的検索で異常なし.左頬部・鼻尖部の皮疹は切除し,病理組織検査にて基底細胞上皮腫と診断した.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.