Japanese
English
症例報告
潰瘍性大腸炎の寛解期に出現した壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum appearing during remission stage of ulcerative colitis
川瀬 正昭
1
,
中川 秀己
2
,
新村 眞人
2
Masaaki KAWASE
1
,
Hidemi NAKAGAWA
2
,
Michihito NIIMURA
2
1国立大蔵病院皮膚科
2東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology,National Okura Hospital
2Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
壊疽性膿皮症
,
寛解期
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
壊疽性膿皮症
,
寛解期
pp.1063-1065
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100296
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要約
50歳,男性.1977年に全大腸炎型の潰瘍性大腸炎と診断され,サラゾスルファピリジン内服を開始し,1988年1月から11年間寛解期を維持していた.潰瘍性大腸炎の増悪がないにもかかわらず,1999年7月28日に右下腹部に疼痛を伴う隆起性浸潤性紅斑が出現し,急速に増大し潰瘍化した.また,左下腹部に暗赤色の浸潤性紅斑を認めた.臨床像,細菌培養の結果,組織像にて壊疽性膿皮症と診断した.
1999年8月11日からプレドニゾロン40mg/日より内服を開始したところ,皮膚病変は瘢痕化して治癒し,以後再発はない.一般的には壊疽性膿皮症は潰瘍性大腸炎の活動性と相関を認めるが,自験例では潰瘍性大腸炎の寛解期に出現しており,相関がなかった.潰瘍性大腸炎は寛解期にも壊疽性膿皮症が発症しうることを念頭に置くべきであると考えた.
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