連載 手術・手技シリーズ
⑦口内法による唾石手術
谷垣内 由之
1
1獨協医科大学耳鼻咽喉科気管食道科学教室
pp.559-563
発行日 2001年7月20日
Published Date 2001/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902402
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はじめに
唾石のほとんどは顎下腺に生じる。耳下腺にも発生するが,顎下腺例の1/10以下であり,また舌下腺例はさらに少ない。唾石は,開口部から,あるいは細菌感染により生じた膿瘍の自壊で,自然に排出されない限り通常は外科的に摘出する必要がある。外科的治療法としては,
1)口腔内から総排出管を切開し唾石を摘出する方法。
2)皮膚切開により唾液腺とともに摘出する方法。
3)耳下腺総排出管内のものでは,頬部皮膚切開により唾石のみを摘出する方法。の3つが挙げられる。
口腔内からの唾石手術の適応例は,耳下腺においてはステノン氏管開口部近くに存在する例。顎下腺においては,腺内および腺・総排出管移行部以外のもの,すなわちワルトン氏管内に存在するものが適応となる(このような例のほとんどは,ワルトン氏管が舌神経と交差する部位より前方にある)。
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