シリーズ 難治性疾患への対応
⑦口内乾燥症
高橋 光明
1
1旭川赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.671-674
発行日 2005年8月20日
Published Date 2005/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100183
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Ⅰ はじめに
日常診療では口内乾燥感を訴えて来院する患者をしばしば経験するが,その診断や治療に難渋する場合も多い。口内乾燥症は1868年にBarltley1)が初めて記載し,“xerostomia”の用語は1888年にHutchinsonとHaddenが使用したとされる。以来,数多くの報告がなされている。口内乾燥症は1つの症状または症候名であり,その程度と病状はさまざまであるが,患者に苦痛を与える口内乾燥感が治療の対象となる。
口内乾燥症の原因は,大きく分けて以下の4つが考えられるが,原因疾患は多岐にわたる。(1)睡液分泌中枢の障害,(2)導管の通過障害および末梢神経性,(3)腺機能減退,(4)体液,電解質バランスの変化。本稿では,まず唾液の役割と唾液量の問題を概説し,口内乾燥症について症例を呈示しながら,その対応について述べたい。
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