トピックス 鼻アレルギーの診断と治療—最近の知見
IV.鼻過敏症の手術治療
久保 伸夫
1
1関西医科大学耳鼻咽喉科
pp.689-696
発行日 1997年9月20日
Published Date 1997/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901654
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はじめに
国民の20%に達する鼻アレルギーの罹患率はさらに増加しつつあるといわれ,耳鼻咽喉科医にとって今後とも重要な疾患である。しかし,耳鼻咽喉科への受診率は年々低下し,他のアトピー疾患合併患者を中心に70%の患者は内科や小児科で治療されている。その患者側の理由として,耳鼻科は待ち時間が長い,X線など検査が多い,通院回数が多い,貰う薬は内科と同じといった点が挙げられる。
一方,内科や小児科にとっても鼻アレルギーは,RASTなど血液検査と問診だけでも診断できるうえ,命にかかわることもなく,ベクロメタゾンやオノンなど鼻閉に対しても80%の有効率を有する薬剤の出現で扱いやすい疾患となりつつある。アレルギー科を標榜する一般内科医が増えているが,彼らも重篤な喘息や治療の困難な成人アトピー性皮膚炎より,鼻アレルギーと軽症の喘息を治療したがっている。昨年の日本医師会雑誌別冊「薬の使い方」では,鼻アレルギーは内科疾患として扱われていた。さらに,マスコミの医療情報と治療費の自己負担の増加によって,スギ花粉症に至っては患者の半数は医療施設を受診せず,薬局の売薬ですませている。インタール®も今後処方箋なしで薬局で購入できるようになる。
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