今月の主題 アレルギー疾患の最近の考え方と治療
ここまで進んだ病態解明
鼻過敏症発症のメカニズム
寺田 修久
1
,
浜野 ナナ子
1
,
山越 隆行
1
,
藤田 洋祐
1
,
今野 昭義
1
1千葉大学医学部耳鼻咽喉科
pp.215-219
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904359
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ポイント
●肥満細胞,好酸球から放出される各種ケミカルメディエーターのうち,ヒスタミンは鼻粘膜上皮に分布する知覚神経終末,特にSP,CGRP陽性神経を刺激してくしゃみを起こす.
●鼻粘膜腫脹には,ロイコトリエン,ヒスタミンあるいはPAF(血小板活性化因子)を主とするケミカルメディエーターによる容積血管拡張と血漿蛋白漏出が強く関与している.
●鼻粘膜過敏性は,鼻粘膜知覚受容のレベルにおいても,また腺,血管反応のレベルにおいても,刺激閾値を低下させ,同時に反応性を亢進させることによって鼻過敏症状発現に強く関与する.
●鼻粘膜過敏性の成立には,好酸球あるいは好塩基性細胞由来のケミカルメデロエーターの関与が大きい.
●ロイコトリエン,PAFあるいは好酸球由来の顆粒蛋白は,鼻粘膜反応性を亢進させることにより,ケミカルメディエーターによって惹起された鼻アレルギー症状をさらに増幅させる.
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