講座
SLE (Ⅲ)—IV.SLEと日光過敏
大橋 勝
1
Masaru OHASHI
1
1名古屋大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Nagoya University School of Medicine
pp.1118-1123
発行日 1979年12月1日
Published Date 1979/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202158
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
SLEと紫外線との関係は古くから知られており,蝶型紅斑は常に紫外線に当たる部位に生じた紅斑であるといわれている.アメリカリウマチ協会のSLEの診断基準(ARA)に蝶型紅斑とともに日光過敏がとり上げられている.日光過敏は日光または紫外線に被照射後に顔面に皮疹の新生をみるか,皮疹の拡大を生ずるかをさし,はなはだしい場合には臨床症状の増悪をみた症状の既往歴を指している.文献的にはDubois1)はSLEの34.7%に光線過敏の既往があると報告している.日本のSLEではどのくらいの頻度で日光過敏の既往が見出されるかを全国統計よりみるとSLE107例で35.9%2)あり,類似した百分率で認められている.自験例では21例中14例3)(67%)である.この自験例の数字が前2者の報告とかなりの差異があるのは,皮膚科医が扱うSLEと,主として内科医でのSLEとの差なのかもしれない.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.