CPC
鼻中隔原発と考えられる軟骨肉腫症例
佃 守
1
,
吉田 豊一
1
,
久保田 彰
1
,
金子 まどか
1
,
澤木 修二
2
,
平田 佳代子
2
,
古川 滋
2
1神奈川県立がんセンター頭頸科
2横浜市立大学耳鼻咽喉科
pp.149-153
発行日 1990年2月20日
Published Date 1990/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900026
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
頭頸部領域原発の肉腫の頻度は極めて低い。まれに脂肪肉腫,線維肉腫,血管肉腫などの軟部組織肉腫を経験するのみで,骨または軟骨肉腫となるとさらに稀である。そのため肉腫症例に関しては,的確な治療方針が立てられておらず,おおいに難渋する。手術で根治できると考えられる肉腫症例に対しては,外科的摘出が第一選択の治療である。しかし,広範に腫瘍が進展していたり,転移病巣がある場合には全く困惑させられる。もともとこの腫瘍は放射線や化学療法に感受性が低く,これらの手段に頼れないからである。
今回頭蓋内進展によって不幸な転帰を辿った若年者の軟骨肉腫症例を経験したので,その経過に若干の考察を加えて報告する。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.