医療ガイドライン
耳鼻咽喉科における真菌検査—真菌の培養について
古内 一郎
1
1獨協医科大学耳鼻咽喉科
pp.155-158
発行日 1990年2月20日
Published Date 1990/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900027
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はじめに
真菌培養は,臨床医でも比較的容易にできる検査法の一つである。それは簡易真菌分離用培地が市販されており,培養技術も簡単であるからである。室温培養が可能で,培地上に発育したコロニー(集落)の肉眼的所見から真菌の種類を容易に判別することができる。鏡検でも特に染色することなく,暗視野で観察,判定することが可能である。
しかも耳鼻咽喉科領域では真菌が関与する疾患が多く,臨床医が直接真菌検査を行うことによって,診断ならびに治療面で大きなメリットを生ずる。ところで耳鼻咽喉科でみられる頻度の高い真菌症は口腔カンジダ症,外耳道真菌症であるが,副鼻腔真菌症なども稀に発症する。これらはいずれも浅在性真菌症であるが,合併症(糖尿病,免疫不全症,癌,白血病など)が併発すると深在性に発展することがある。
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