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あとがき
丹生 健一
pp.864
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202813
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1964年のとある日曜日,当時4歳の私は父親に連れられて郊外の陸上競技場に行きました。コンクリート剝き出しの観客席がとても冷たかったことしか覚えていませんが,今から思えば東京オリンピックのサッカー準々決勝,チェコスロバキア対日本戦(駒沢競技場)でした。あれから57年,今日は東京オリンピック2020の開会式です。大会の象徴となる新国立競技場の整備計画白紙撤回,エンブレムの盗作疑惑,史上初の1年延期,会長や開閉会式関係者の相次ぐ辞任・解任,緊急事態宣言下での無観客開催と,異例づくしの大会となりました。「グダグダ」との批判もありますが,自由に物が言え,威信をかけた国家的事業に世論が影響を与えることができるこの国,満更,悪くはないと思っています。今回はテレビ観戦となりますが,人生二度目の自国開催五輪を少し足が弱ってきた父とともに迎えられることを悦び,日本国民の1人としてオリンピック・パラリンピックが無事終了することを心より祈ります。
さて,今月号の特集は耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域のリハビリテーションです。人工内耳や顔面神経麻痺,音声障害・嚥下障害の(リ)ハビリテーションについては本誌でもたびたび取り上げてきましたが,最近では補聴器装用者や嗅覚障害に対するリハビリテーションの有用性も注目されるようになってきました。そこで,本特集では,耳・鼻・頭頸部各領域の代表的なリハビリテーションを取り上げ,第一線で活躍されているエキスパートの皆様に動画を交えて解説していただいています。普段,「リハビリは人任せ」という読者の皆様もぜひご通読いただき,最新のリハビリテーションの情報を身につけてください。
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