増刊号 救急・当直マニュアル—いざというときの対応法
Ⅴ.当直での術後急変への対応
トキシックショック症候群
吉川 衛
1
1東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科
キーワード:
黄色ブドウ球菌
,
外毒素
,
多臓器障害
Keyword:
黄色ブドウ球菌
,
外毒素
,
多臓器障害
pp.318-321
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202075
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当直医へのコール
●当直医へコールする側の認識にもよるが,トキシックショック症候群(TSS)は,比較的急激に病態が増悪する疾患であるため,コールされた時点でショック症状を起こしている可能性が高い点に注意が必要である。
●コールの内容としては,「患者が激しい筋肉痛を訴えています」「急に高熱が出てきました」あたりが初期症状を示しているため,TSSを念頭に置いて対応を準備する。
●さらに,コールの内容が,「激しい嘔吐や下痢をしています」「全身に皮疹(紅斑)が出ています」となれば,診察や検査を始める必要がある。
●「急に血圧が低下してきました」「意識が朦朧としています」とコールされたら,全力で患者のもとへ駆けつけて,ショック症状に対する治療を開始しなければならない。
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