今月の臨床 治療にてこずる感染症
MRSA
18.MRSA-TSS (トキシックショック症候群)
中林 正雄
1
,
工藤 美樹
2
,
高木 耕一郎
1
,
武田 佳彦
1
Masao Nakabayashi
1
,
Yoshiki Kudo
2
1東京女子医科大学母子総合医療センター
2東京女子医科大学産婦人科
pp.1088-1090
発行日 1993年9月10日
Published Date 1993/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901443
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トキシックショック症候群(Toxic Shock Synd—rome;TSS)は1978年にToddら1)により最初に報告された新しい型の黄色ブドウ球菌感染症で,黄色ブドウ球菌の産生する外毒素により急激で多彩な症候,臓器障害を呈し致死率も数パーセントと少なくない。最近,産婦人科領域においてもMRSAによる感染症が増加するにつれてこれを原因とするTSSに遭遇する機会が増加しつつある。
本稿でははじめに当院で最近経験した帝王切開術後に発症したTSS症例を提示し,次にTSSの発症機序,症状・診断,治療方針について解説する。
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