増刊号 救急・当直マニュアル—いざというときの対応法
Ⅴ.当直での術後急変への対応
内視鏡下鼻副鼻腔手術後の発熱・意識障害
平野 康次郎
1
1昭和大学医学部耳鼻咽喉科学講座
キーワード:
髄液漏
,
髄膜炎
,
toxic shock syndrome
,
AIUEOTIPS
Keyword:
髄液漏
,
髄膜炎
,
toxic shock syndrome
,
AIUEOTIPS
pp.312-317
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202074
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当直医へのコール
●病棟から当直医に「鼻の手術後の患者さんが高熱になり意識がありません!」とコールがあったときには,まず次のようなことを考えるべきである。
・髄液漏から発生した髄膜炎や脳炎。
・黄色ブドウ球菌の毒素によるtoxic shock syndrome(TSS)。
・発熱と意識障害が別の病態により発生している可能性もあり,意識障害を起こす鑑別疾患の除外も必要である。
●コールの内容で重要なものは次のような情報である。
①ショックになっているか
②活動性の鼻出血はあるか
③意識障害は一過性であるか,現在も続いているか
④末梢静脈確保がされているか
⑤術後何日目か
⑥鼻内パッキングは入っているのか
⑦意識障害を起こすような既往歴をもっているか
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