Japanese
English
症例
Panton-Valentine Leukocidin産生型MSSAが検出された,肘窩部皮膚膿瘍の1例
Cutaneous abscess on the cubital fossa caused by methicillin susceptible Staphylococcus aureus producing Panton-Valentine leukocidin
川上 佳夫
1
,
吉原 由樹
2
,
川上 泰輔
3
,
小橋 美那
4
,
原本 美千恵
5
Yoshio KAWAKAMI
1
,
Yoshiki YOSHIHARA
2
,
Taisuke KAWAKAMI
3
,
Mina KOBASHI
4
,
Michie HARAMOTO
5
1倉敷成人病センター,皮膚科,医長
2同,整形外科
3同,臨床検査科
4岡山大学大学院医歯薬総合研究科,皮膚科学分野
5はらもと内科皮膚科クリニック,倉敷市
キーワード:
Panton-Valentine leukocidin
,
外毒素
,
黄色ブドウ球菌
,
MSSA
,
皮膚膿瘍
Keyword:
Panton-Valentine leukocidin
,
外毒素
,
黄色ブドウ球菌
,
MSSA
,
皮膚膿瘍
pp.277-280
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003114
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15歳,女性。バスケットボールの合宿に参加してから10日後に,明らかな誘因なく左肘窩部に小丘疹が出現し,その後膿瘍を形成した。近医にてセフェム系抗菌薬内服を開始するも症状が悪化し,当科を紹介受診した。膿瘍からの細菌培養にてメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出され,Panton-Valentine leukocidin(PVL)陽性であった。切開排膿と,メロペネムの点滴により症状は軽快した。PVL産生型MSSAが,競技者間の接触があるスポーツにおいて感染することが報告されている。自験例の感染経路は不明だが,バスケットボール競技中に感染した可能性がある。基礎疾患のない若年者に抗菌薬内服に不応性の皮膚膿瘍が出現した際には,薬剤耐性菌のほかに,PVLのような外毒素を産生する細菌感染の可能性についても考慮する必要がある。
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