病気のはなし
トキシックショック症候群とトキシックショック様症候群
山崎 修
1
1岡山大学大学院皮膚粘膜結合織学
pp.406-411
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100001
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新しい知見
M蛋白を豊富に持つ菌体はマウスに対し強い致死作用を持ち,好中球の貪食に抵抗する.その抗貪食作用がトキシックショック様症候群(toxic shock-like syndrome,以下,TSLS)を引き起こすと考えられていた.しかし最近,M蛋白がTSLSの病態を引き起こす中心的役割を担うことが報告された3).A群レンサ球菌が血液中では表層蛋白であるM蛋白を放出し,フィブリノゲンと複合体を作る.その複合体は好中球の表面に結合し,好中球を活性化し,血管内皮細胞にダメージを与える.その結果,血管透過性亢進,過凝固が起こり血圧低下,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation,DIC),臓器不全というTSLS特有の症状を引き起こす.
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