Japanese
English
特集 聴神経腫瘍診療のNew Concept
神経線維腫症Ⅱ型の臨床像と関連遺伝子
Neurofibromatosis type 2:clinical features and related genes
大石 直樹
1
Naoki Oishi
1
1慶應義塾大学耳鼻咽喉科学教室
pp.1008-1011
発行日 2016年12月20日
Published Date 2016/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201131
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
POINT
●神経線維腫症Ⅱ型(Neurofibromatosis type 2;NF2)は,常染色体優性遺伝を呈する遺伝性疾患で,22番染色体長腕に存在するNF2遺伝子が唯一の原因遺伝子として同定されている。
●30歳までにほとんどの患者において両側性に聴神経腫瘍がみられるようになるのが,本疾患の最大の特徴である。
●聴神経腫瘍に対する一般的な治療の選択肢である経過観察,手術,放射線のいずれによっても,腫瘍制御率および聴力予後は孤発例に対する治療成績に比べて明らかに劣る。
●NF2遺伝子が作り出す蛋白Merlinの下流のpathwayに対する基礎研究が進んだ結果,欧米では,分子ターゲット薬を用いた複数の臨床試験が進行中である。
●抗VEGF(vascular endothelial growth factor)抗体であるBevacizumabを用いた臨床試験がもっとも進んでおり,一定の腫瘍制御率および聴力温存率が報告されている。
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.