Japanese
English
特集 聴神経腫瘍診療のNew Concept
聴神経腫瘍の臨床像と鑑別診断
Clinical presentation and differential diagnosis for acoustic tumor
本村 和也
1
,
棚橋 邦明
1
,
夏目 敦至
1
,
曾根 三千彦
2
Kazuya Motomura
1
,
Kuniaki Tanahashi
1
,
Atsushi Natsume
1
,
Michihiko Sone
2
1名古屋大学大学院医学系研究科脳神経外科学
2名古屋大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学
pp.1000-1007
発行日 2016年12月20日
Published Date 2016/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201130
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POINT
●聴神経に発生する腫瘍の大部分は神経鞘腫(schwannoma)であり,そのほとんどが孤発例である。両側聴神経腫瘍は神経線維腫症Ⅱ型(NF2)に合併する。
●本邦における神経鞘腫の発生頻度は10%であり,女性に多く,40〜60歳に多くみられる。
●神経鞘腫のなかでは,小脳橋角部に85%が発生する。
●症状は,聴力障害(高音性難聴),前庭神経症状(めまい,ふらつき)が多い。
●聴神経腫瘍の画像所見として,MRIではT1強調画像にて軽度低信号〜等信号,T2強調画像にて高信号,ガドリニウムにて通常著明な造影効果を示す。聴神経腫瘍の内耳道拡大やhigh jugular valveの有無を確認することが重要である。
●聴神経腫瘍と鑑別を要する疾患として,髄膜腫,類上皮腫,三叉神経鞘腫,顔面神経鞘腫,頸静脈孔腫瘍(舌咽,迷走,副神経鞘腫),脊索腫,グロームス腫瘍,血管外皮腫(血管周皮腫),孤立性線維性腫瘍などが挙げられる。
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